セロトニントランスポーター
セロトニントランスポーターについて調べてみました。
セロトニントランスポーターとは、セロトニントランスポーター遺伝子(後述します)でコードされるタンパク質です。
その機能は、
脳内のシナプス間隙に遊離されたセロトニンを前シナプス(Pre)側に取り込み、シナプス間隙のセロトニン量を減らし、シナプス伝達を終了させます。
そして、
セロトニンの伝達に関する情報が書かれた遺伝子がセロトニントランスポーター遺伝子です。この遺伝子の種類によりセロトニンの量が変わるというのです。
セロトニントランスポーター遺伝子には、遺伝子量の多いL型と、遺伝子量の少ないS型があります。 L型はセロトニンを多く作り、S型は少なく作ります。遺伝子の型には SS型とSL型とLL型の3種類の組み合わせがあります。
人種(人)により持つセロトニントランスポーター遺伝子の型が異なる
セロトニントランスポーター遺伝子にL型を持つ人の割合は人種によって異なり、アフリカ人が1番多く、次にアメリカ人、そして最後にアジア人です。
特に日本人はSS型が最も多く 人口の68.2%を占めています。アメリカ人のSS型は 人口の18.8%です。LL型遺伝子を持つ人すなわち 不安感が少なく、ストレスを感じることが少ない人は、日本人は1.7%、アメリカ人は32.3%です。
S型遺伝子すなわち不安遺伝子の保有者は日本人が80.25%、中国人は75.2%、スペイン人は46.75%、アメリカ人は44.53%、南アフリカ人は27.79%です。
セロトニントランスポーター遺伝子が少ない、すなわちSS型の人は放出されたセロトニンがリサイクルされずに体外に排出され、その結果は慢性的にセロトニン不足に陥ります。セロトニンの不足は不安感を抱く精神状態になります。
セロトニンの割合が人種の気質の違いを示すと言われ、SS型が多い日本人は不安を感じやすいと言われています。
まとめますと、
・人種によりセロトニントランスポーター遺伝子型をもつ人の割合が異なる。
・持つセロトニントランスポーター遺伝子の型(SS,SL,LL)によりセロトニンの量が変わる。
・持つセロトニンの量によって気質が異なる。
DNA検査でセロトニントランスポーター遺伝子型が分かるらしいです。
(ただ、ニュースリリース2012年と古いため、実用になっているかどうか不明です)
なぜ、人種により持っているセロトニントランスポーター遺伝子の型の割合が異なるのか?
この遺伝子のS,L型の子孫への遺伝についても知りたくなります。
例えば血液型と同じように、セロトニントランスポーター遺伝子型すなわちS型とL型の掛け合わせは、例えば
SSxSS->SS, SSxLL->SL, SLxSL -> SS又はLL, SLxLL-> SL又はLL, LLxLL->LL
なのかです(そう簡単ではないと思われますが。。)。
もしそうなら、この遺伝子は両親からもらうDNAに含まれているので、まさに親から気質を受け継いでいるというエビデンスの1つになります。
参考文献
セロトニントランスポーター - ウィキペディア (wikipedia.org)
血液型より正確!? あなたの性格はDNAで決まっていた(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3) (ismedia.jp)